意外と知らない!?ボイコットとストライキの違いについて
2018.6.18

ボイコットとストライキって、どんなところに違いがあるかご存知ですか?
違いを聞かれると答えられない方や、同じだと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしボイコットとストライキには、ちゃんとした違いが存在しているんですよ。
間違ったボイコットやストライキを起こさないためにも、どのような意味があるのかしっかりと覚えておく必要がありますね。
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この記事の目次
ボイコットとストライキの違い?まずはボイコットから
ボイコットは個人や一定の集団が行う抗議活動のことです。
会社に対する不満があり、集団で働くことを拒否したり、商品やサービスの購入拒否や不買運動といった活動が一般的にボイコットと呼ばれます。
ボイコットする好意を擁護する法律はありませんが、同時に禁止する法律もありません。
ですから「意思表示」としての行動としては問題ないということになります。
しかし、直接的な処罰ができなくとも、トラブルの原因となり解雇の原因となることも考えられます。
仕事や職場に嫌気がさして「会社をボイコットした」などと言うことがありますが、これではただのサボり。
会社の方針などに対する異議から抗議行動することがボイコットであり、個人的な感情で仕事を拒否するのは単なる迷惑行為です。
ボイコットとストライキの違いは?ストライキの権利と現状
労働者が結成した労働組合が、会社との交渉を有利に進めるために行う目的で行うのがストライキです。
労働者の業務を一斉に禁止するなどがこれにあたります。
ストライキは公に認められた権利ではありますが、公務員や一部の業種ではストライキが禁じられているものもあります。
個人で行う場合は、一般にボイコットと呼ばれます。
ストライキの権利と条件
正当なストライキと認められるには、次の5つの条件があります。
- ストライキが認められている職業である
- 労働条件に直接的な関係があること
- その動機が社会的に妥当だとされること
- 乱闘や暴力行為は行わない
- 会社の施設や備品などを汚したり壊したりしない
これらの条件を満たさなければ正当な「働かない権利」によるストライキが認められません。
かつて日本では多くのストライキがありましたが、年々減少傾向にあります。
理由のひとつには技術革新によって個人のスキルや創造性が生産性に大きく影響するようになったことがあるといわれています。
また、近年のストライキでは、賃上げの要求よりも福利厚生や労働環境の改善を求めることが多くなっています。
ボイコットとストライキの違いを語源からたどってみた
ボイコットとは英語の「boycott」から来た言葉で、考えや要求を実現させる目的で不買、拒否、排斥などを行うことを言います。」
その語源は、19世紀のイギリス貴族、チャールズ・ボイコット大尉に由来しています。
当時、農民はボイコット大尉に対して地代引き下げを要求していました。
これに応じないボイコット大尉に抗議するため、農民たちは団結して彼の家族や関係者に対する労働を拒否。また、食料の供給も拒むなどコミュニティからの孤立を図りました。
このことから、ボイコットという言葉が誕生したのです。
ちなみに、このボイコット大尉はアイルランドを去り、戻ってくることはなかったそうです。
ストライキの語源となったのは英語の「tostrike the sailes」。
「帆を降ろす」という意味で、ロンドンの港で待遇に不満を持った水夫たちが帆を降ろして船主に抗議の意思を示したことが由来です。
日本には該当する言葉がなかったため、そのまま英語から借用した言葉なのです。
ストライキは一人では無理!行う場合の注意点
ストライキは、憲法の団体行動権に基づいた行為で「労働の拒否を手段に労働条件の改善を求める争議行為です。
ただし、注意が必要なのが憲法や労働組合法によってみとめられた正当性ある行為でない場合は違法になってしまいます。
その方法が適切ではないと判断された場合に、労働者が債務不履行責任を負ったり、不法行為責任の追及や懲戒処分、または刑事処罰の対象となる可能性もあるのです。
どのような場合に正当であると認められるのかを確認していきましょう。
労働組合の総意
ストライキは憲法上の団体行動権に基づいています。ストライキの主体となるのは、団体交渉の当事者である労働組合であるのが原則。
組合内の一部や、その下部組織などが総意に反して行うものは正当なストライキとして認められません。
労働条件に直接関係するものであること
労働者権利の保障範囲内に即した労働条件の改善目的でなければ、正当なストライキと判断されない場合があります。
手続違反や権利侵害がない
手続きに違反が認められる場合や、必要以上に権利を侵害する行為などがあると違法になってしまいます。
ボイコットの歴史を探ってみた
前述したように、1780年、スコットランドの農民たちの行動から名づけられたボイコット。
その後、企業や政府に対する抗議を示す行為としてさまざまな場面で行われることになります。
特にアメリカでは、ボイコットが大きな出来事として歴史に刻まれることが起こります。
1765年には印紙条例を発端に、ボストンやフィラデルフィア、ニューヨークでイギリス製品のボイコットが行われ、独立戦争の間続きました。
1800年代後半になると、労働運動を通じて労働組合にボイコットの手法が取りれられます。
1930年代には、アメリカのユダヤ人社会がドイツ製品をボイコット。
1950年代には、アラバマ州でキング牧師を中心とした公民権運動の中、バスに対するボイコットが行われました。
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